高校化学の「電子殻モデル」と、大学化学の「原子軌道」を接続します。両者の違いも明示します。
原子番号を変えると電子配置はどう変わる?
電子殻ごとの電子数(高校の表現)
ここに示す殻モデルは原子の基底状態を整理したものです。電子が円周上を回ることを意味しません。
軌道ごとの電子配置(大学への入口)
四角は原子軌道、矢印は電子のスピンを模式的に示します。最大2個の電子が同じ軌道に入り、同一軌道内では反対向きのスピンになります。
なぜこの順番になるのか
1. 原子番号は原子核の陽子数。
中性原子では電子数も原子番号に等しくなります。Naは11個、Clは17個の電子をもちます。
2. 電子状態にはエネルギーの違いがある。
複数電子原子の基底状態は一般に低エネルギーの軌道から電子で占められます(構築原理)。ただし、軌道のエネルギー順には元素や電子数による例外があります。
3. 同じエネルギーの軌道には、まず一つずつ入る。
例えば2pには3つの軌道があり、同エネルギーなら対をつくる前に同じ向きのスピンで1個ずつ配置するのがフントの規則です。
4. 最外側の電子状態が性質を左右する。
Li・Na・Kが同族なのは、基底状態で最も外側のs軌道に電子が1個あるという共通点をもつためです。ただし化学的性質は遮蔽や核電荷、原子の大きさなどにも依存します。
高校の説明と大学の説明を区別する
| 高校で使う概念 | 大学で深める概念 |
|---|---|
| K・L・M・N殻 | 主量子数 n と軌道の分類 |
| 最外殻電子 | 価電子・原子軌道・電子密度 |
| 電子の配置 | 量子状態・パウリの排他原理 |
| 周期表の同族性 | 遮蔽・有効核電荷・周期的傾向 |
特にCrとCuの電子配置は単純な「4sを2個入れてから3d」という順序の例外です。この教材では原子番号1〜30について既知の基底状態配置を採用しています。
理解確認
Na(11)とK(19)で化学的性質に共通点がある主な根拠は?
解答数はこの端末に記録します。